Dangerous
私が一番好きなアルバム。
この時期にマイコーはぐっと大人になって、成熟した魅力が増しているような気がします。
自分はどうやって生きていこうか、どうやって世界と関わって行こうか、その答えをはっきり見つけたような感じを受けます。
一曲一曲が、熟成していて、作り込まれていて、焦りや不満が感じられない。
多分、マイコー本人も、関係者の人々も一番満足した状態でリリースできたと思います。
全体としての流れも、物語のように自然で、それでいて自信が伝わってくるので、
安心して聞けるし、なんともいえない充足感を味わえます。
デンジャラスの世界は、ジャケットのイメージ通り、闇の中に極彩色が踊っているような、
ミステリアスで艶やな美しさを放っている。
聞いてみると、ただの「音」とは違って、美しい文学、絵画、彫刻を見た時のような気持ちになり、
本当にこれの正体がプラスチックケースに入っているただの円盤なのか、と思う程、
アルバム自体に大きな芸術作品のような存在感がある。
マイケルジャクソン、という人間も、「歌って踊れるスーパースター」という枠を超えて、
もっと高次元の美しい何かになったような気がして、ワクワクしてしまう。