家族のため、恋人達のための歌はたくさんあるけど、行方不明の人への歌はあまりない。
だから、この歌は、いなくなった子供達へ捧げるよ。
初めて聞いたときは、Lost Childrenの訳を見て、北朝鮮に拉致された子供のような状況に対しての歌なのかな?と思ったけど、
なんか違うような気がして、いろいろと考えてみた。
アメリカで「行方不明」の子供ってどれくらいいるのだろうか。誘拐事件が頻発してたりするのか?
既に亡くなった子供の事を言っているのなら、"and wishing them home"っていう歌詞は不自然な気がする。
魂が家に戻ってくるとかそういう概念があるなら別だけど、ユダヤ教もキリスト教もそんな考えじゃないしなぁ。
それに亡くなった子供達への歌ってそんなに珍しくないんじゃ?
それとも、親がいなくて養子にとられている子供の事をいってるのだろうか。
だけど、もし子供を捨てるような親だったら、そっちに帰る事が望ましいとは考えられないし、
義理の親子でも温かい愛情で結ばれていれば、問題ないよね。
"the lost children"って何だろう…と悩んでいた時、マイコーが、このアルバムが出る少し前に、オクスフォード大学でスピーチしていた内容を思い出した。
現代の先進国の子供の状況について、「無償の愛がそそがれず、放っておかれるために、実は多くの子供達が、自分の力だけで成長していかなければならない。」
「富も、成功も、奇麗な服も、かっこいい車も全て手に入るけれど、心はやるせなさに満ちている」
「放っておかれるという形の虐待。親は帰宅しても頭の中はまだ仕事場にある。
子供達は与えられる感情のかけらで間に合わせているだけ」
と、警告していた。
これを参考にして、自分なりの解釈をしてみた。
lost childrenは、物理的に居なくなった子供というわけじゃなくて、「心の居場所を見つけられない、迷っている子供」という風に考えてみたらどうだろう。
マイコーが当時真剣に問題視していた、現代の子供達の満たされない気持ちや、安らぎのない社会にも当てはまるテーマだし、
"Home with their fathers,
Snug close and warm, loving their mothers
I see the door simply wide open
But no one can find thee"
の辺りも自然に受け止められる。家には両親がそろっていて、子供達は、見つけて欲しい!!助けて欲しい!!って言ってるのに、気づいてもらえない。そんなもどかしさ。
それで、マイコーは、「彼らが家に帰れますように…」と願う。