Thriller

thriller

1億枚以上売り上げたすんげーアルバムですが、制作当初はそんな結果など全く予想しておらず、
むしろ、発表をやめようかと思う程、満足できない、ぎりぎりの状態だったそうです。
収録曲が少なく、その分引き締まった感じがするアルバム。
そして、この頃のマイコーは、声がきらきらきら~んと輝いております。
前作と比べてぐっと大人っぽくなってるけど、あどけなさも残ってて、すっごく優しい感じもあります。

Wanna Be Startin' Somethin'

インタビューでスタサムに言及している部分では、「この曲は思い通りにいかなくてイライラした。頭の中ではもっときれいな音が鳴っているのに」という、未練を感じさせる言葉が。
文句ない名曲なのに、もっとすばらしい音が鳴っていたなんて…一回でいいから、彼の頭の中に入ってみたいです。
初めて聞いたときは、"You're vegitable"が印象に残ってしょうがなかった。友達に見せまくって爆笑してた。

でもよく考えると、この曲ってタイトルからしてよく分からない。
Wanna be (the one who is) startin' somethin'っていう意味?
あと、start somethingっていうのは、慣用句で「ごたごた(喧嘩)を引き起こす」って意味らすぃ。
歌詞も抽象的でつかみ辛いが、最後にはっきりしたメッセージが突然出て来て終わる。

Lift your head up high
And scream out to the world
I know I am someone
And let the truth unfurl
No one can hurt you now
Because you know what's true
Yes, I believe in me
So you believe in you

スタサムは、歌詞が分からなくても、力強くて心地よくて楽しげで規則的な曲。
老若男女、誰にでも不思議と好かれる曲だと思う。
バッドツアー以降、ツアーでも必ず歌われる。しかも、ほとんど口パクのヒスツアでもこれは生歌で歌う。
マイコー本人も、思い入れが強い曲なのだろうか。
特に有名曲でもないし、取り上げられてもてはやされる訳でもないけど、
何かミステリアスな魅力をもっている。

サビの部分を繰り返し頭の中で考えてみたら、何となく共感できる所があった。
私はフットワークが重い方で、何かやらかしたくても、少しやりづらそうだと立ちすくんでしまう。
まさに"too high to get over, too low to get under"の気分で。
だけど、無理矢理とびあがるか、這い出すかすれば、絶対に始められるのだ。
少しの不安に負けてしまって努力もせず立ちすくんでとどまっているうちに、
先を行く周りが恨めしくなる。そして性格が歪んでしまう。
知らず知らずの内に、相手の邪魔をして野菜みたいな人間になってしまう。

相手の邪魔するのは私の主義に反するので絶対にやらないんだけど、
そうしてみたくなるような、歪んだ気持ちはすごくよく分かる。

最後のlift your head up high以降は、そんな人たちへのメッセージなのだろうか。
いつまでもとどまって頭の中でうじうじしている私にとっては耳が痛い…

Baby Be Mine

初めて聞いたとき、なんだか昔からこの曲を知っていたような、懐かしい気持ちになりました。
のびのびした歌声の雰囲気がRock With Youと似てる。

The Girl Is Mine

ビートルズのポールマッカートニーとの共演。
歌詞カードを見た時、激しい曲調をイメージしましたが、聞いてみるとほのぼのした感じ。
ゆっくりとした空気の間に火花が散ってるんですね。
マイコウの声がふにゃふにゃで、もう・・うっとり。。
もし私が「The Girl」ならば、間違いなくマイコウを選びますよ?(聞いて無い
"I'm a lover, not a fighter"がさりげない名言。
プリンスがインタビューで「あなたがマイケルと喧嘩したらどっちが勝つ?」と聞かれたときに"Michael's not a fighter, he's a lover"と、この曲の歌詞を引用してさらっと交わしたエピソードが印象的。

Thriller

数あるマイコーの名曲の中で最も人気と言える凄い曲。
ファンとしてはこの曲だけダントツで有名なことに対して不満もあり複雑な気持ちです。
私はお化けとかゾンビに興味ないし、この曲にはメッセージ性が無いので、「みんなマイコーの世界に対する愛のメッセージをもっと聞いてあげて!!」と思ってしまいます。
この曲の歌詞はオカルトチックな言葉が並んで一見変わってるけど、3番で"I'll save you from the terror on the screen" "I can thrill you more than any ghoul would ever dare try"と種明かしがあり、「ホラー映画見ながら彼女といちゃついている」よくあるシチュエーションなのです。
オリジナリティーとポップな要素が上手く調和しており、純粋に楽しい曲だからこそ一番人気なのかもしれません。
そしてマイコーの透き通った高い声がよく際立つ曲でもあります。 この曲をステージで歌っている(口パクが多いけど)マイコーはいつも凄く楽しそう。
私もあんまり深いことは考えずに楽しんで聞こう…と考え改めました。

Beat It

ギターがかっこいい。
「スリラーに入れるロック系の曲を作れるかい?」と言われて、「もちろんさ」とマイコウが30分ぐらいであっというまに作っちゃった曲。
「自分が同じような立場になった時を想像したんだ。誰も喧嘩はしたくないだろ?」
一見、粗々しいようで、「怪我するまえに逃げちゃえよ」という主旨から、マイコウの平和主義な考え方がうかがえます。
危険を避ける為に逃げることは、場合によってはベストな判断ということもある。
考えてみたら、私は喧嘩やらもめ事に巻き込まれた事がほとんどありません。
女の子同士って、「AちゃんがBちゃんを取った」とか、「Cちゃんがノロけててむかつく」とか、そんな事でよくごたごたするので、
なんで自分だけ巻き込まれないんだろう?と不思議に思ってたんですよ。
で、よく考えたら、危険な雰囲気を察した瞬間、無意識に逃げ出してるのです。
多分、Beat Itの教訓が染み付いてるんでしょうね…
もめ事に関係してないと、愚痴話に入り込めなくてたまに寂しいときがあるんですが(笑)、
こういうのって、時間と精神を無駄に消耗する気がするので、やっぱり逃げる方が良いなと私は思っています。

グッチさんのパロディーを先に知ってしまったもんで、どうしても「ゆうびーん」って歌ってしまう。

Billie Jean

自他共に認める代表曲。
マイコウは、インタビューで「どうやって曲を作るの?」と聞かれたときは、いつもこの曲の話をします。
この曲の、メロディー、歌詞、パフォーマンス・・・
全てが、彼自身が最も誇っているものの一つだと思います。

低くてかっこいいベースと、怪しげな歌声がたまらない。
一つ一つのメロディーがおしゃれで、冴えてて、超かっこいい。永久不滅な曲ですね。
ママが言っていたとされる、「真実はいつの間にか本当になってしまう」という言葉から、マスコミに対する嫌悪感が伺えます。
また、この歌の内容は実話らしく、ストーカー行為をするファンが、自分の子供を前に出し、「これはマイコウの子供なの!」と言って訴訟を起こしたそう。
迷惑なファンです。

Human Nature

ニューヨーク(big apple)の、ネオンが輝く、静かな夜に、ビルのなかでたたずむひととき…歌詞のイメージとしては、こんなもんかしら。
都会的でひんやりした感じがするのに、不思議と柔らかく、温かい。
現代人の心の凝りを一気にほぐすような魔法があります。
「素晴らしい万華鏡のようなハーモニー」と例えられるコーラスがすばらしい。
間奏の「はぁ~~~~い(裏声)」や、最後の「しゃらっしゃっしゃ、さっさっささ♪」が特にお気に入り。

P.Y.T. (Pretty Young Thing)

20台前半にしか出せない無敵のかわいらしさが一番味わえる曲。
最初のぼそぼそ声にときめき、優しい声に惚れ、「な~んなんな!」に顔がゆるむのです

The Lady In My Life

監督のクインシージョーンズさんに、「目の前の女の子を口説くように歌ってごらん」と言われ、情感たっぷりに歌ったあと、急に恥ずかしくなって部屋から走って逃げちゃったという、愛らしすぎるエピソードがあります。
確かにこの歌詞はよく見ると…あ、鼻血がっっ
いや、直接的な表現は一つもないのだが、鼻血がっっ!
マイコーらしい、優しい声の中に、すこし男っぽさもあって…あぁこんなこと言われたらどんな女の子も落ちますね。
メロディーもロマンチックでほわほわする。